NoJam zine編集部による韓国音楽プレイリスト「ボーダーレス・ケーポップ」

現象としてだけではなく、ハイクオリティなエンターテインメントとしてのK-POPを追いかけ、深堀するNoJam zine。音楽への造詣も深い編集スタッフ2名が選ぶのは、本特集にも通じる「ボーダーレス」をキーワードにしたプレイリスト。ジャンルのミックス、異色の事務所コラボなどその「越境」の性質は様々だが、同時代K-POPアーティストたちの表現に対する貪欲さに撃ち抜かれること請け合いだ。

NoJam zineからのコメント
NoJam zineというK-POPのzineを作っています。昨年に発行した2号では「border」をテーマに据えて、オーバーグラウンドとアンダーグラウンド、アイドルとアーティスト、オンラインとオフライン、そして日本と韓国などなど、K-POPにまつわる様々な境界を考察しました。zineではK-POPで盛んに行なわれる様々なコラボ曲をピックアップしたのですが、ここではそこで選んだ曲を中心に番外編としていくつかの楽曲をプラスしてみました。曲のジャンルはばらばらですが、いろんな境目を曖昧にしたり、打ち壊したりする10曲です。



1. Superfruit / Fantasy (feat. Amber Liu)
PentatonixのメンバーによるSuperfruitの楽曲に、f(x)のアンバーが参加した曲です。アンバーはPVにも登場していますが、ポップな世界観が彼女にぴったり。アンバーのソロ曲”SHAKE THAT BRASS”にも通じる明るいエネルギーに満ちています。シンガーとしてのアンバーの魅力も伝わる1曲。こういう生き生きしてるアンバーの姿がもっと見たい。

2. Charli XCX / Unlock It Feat. Kim Petras and Jay Park
今やJay-ZのRoc Nationと契約するなどK-POPの枠には収まらない活躍のJay Parkですが、そのマルチな才能ゆえコラボ曲もめちゃくちゃたくさんあります。Charli XCXの"Boys”という曲のPVにも登場しているけど、今回は楽曲でコラボ。トラックはPC MusicのA.G. Cookとかが作っていて、PC MusicとK-POPのコラボも期待したくなります。

3. Wanna One / Energetic
Kポペンを振り回しまくった『プデュ2』から生まれた期間限定超大型新人のデビュー曲をプロデュースしたのは、先輩アイドルであるPentagonのフイ。Wanna Oneになる前の彼らの課題曲”NEVER”も作曲していましたが、現役ばりばりのアイドルが別の事務所の新人アイドルに楽曲提供する、というのも日本ではなかなか見られないことかなと思います。Wanna Oneは個々のメンバーは魅力的なのに楽曲は今ひとつな印象ですが、この曲は頭から終わりまでとにかくキャッチーで、繰り返し聴きたくなります。

4. DEAN / love ft. Syd
K-POPのコラボ曲、で選曲しようとしたらとにかくDEANが関わってる曲が次々と頭に浮かびます。EXOへの楽曲提供、少女時代のテヨンやHeize、Suranとのコラボなどなど挙げるときりがないし、そのほとんどすべてが良い。中でもThe InternetのSydとのコラボは合わないはずがないという組み合わせで、その通りばっちりはまってます。すでにAnderson .PaakともコラボしてるDEANですが、今後もがんがん欧米のアーティストと絡んで欲しい。

5. IU / Palette (Feat. G-DRAGON)
こういう優しい歌でG-DRAGONのラップが聴けるのは貴重かつ今や新鮮です。ましてやオッパ(年上のお兄さん)目線でIUに語りかけるように言葉を発するラップはファンにはたまりません。「ホットピンクよりも濃い紫が好き」「長い髪よりショートが好き」と、少女から大人の女性に変わる狭間の25歳の微妙な感情を繊細に歌うIUのヴァースもかわいらしくて良い。PVは個人的に2017年ベスト。

6. チョン・セウン / JUST U with Sik-K (Prod. GroovyRoom)
Wanna Oneと同じく『プデュ2』出身であり、その前にはオーディション番組『KPOP STAR』にも出ていたセウン。アコギをかき鳴らして歌う素朴な姿が印象深い彼のソロデビュー作のリード曲は、目下売れっ子プロデューサーチームのGroovyRoomがプロデュース。フィーチャリングアーティストには、GroovyRoomも所属するJay Park主宰のレーベルH1GER MUSICのラッパーSik-kを迎えるという意表をついたコラボで、セウンらしいギターの音色もありつつも、ネオンの色が似合うアーバンな楽曲になっています。

7. イ・ハイ / BREATHE(Prod. Junghyun)
「休んでもいい、たまには失敗したっていい、本当にお疲れ様」とイ・ハイが歌うこの曲の作詞作曲はSHINeeのジョンヒョン。YGエンタとSMエンタという大手事務所同士のコラボ、ということでzineでも取り上げたのですが、その後の悲しい出来事によって大きな意味を持つ曲になってしまいました。発表当時から何度も癒されてきたけど、ジョンヒョンがこの曲を残してくれたことに本当に感謝してます。今は悲しくてあまり聴けないでいるけど、ずっとずっと聴き続けます。 もし初めて聴く人がいたら、ぜひ歌詞の日本語訳を読んで見てください。

8. Gallant, Tablo, Eric Nam / Cave Me In
『フジロックフェスティバル2017』で来日していたのも記憶に新しいLAのR&Bシンガー・Gallantと、Epik Highのラッパー・Tablo、そしてシンガーソングライターのエリック・ナムというこちらもかなりの異色コラボ。と思いきや3者のカラーが絶妙に融け合って、聞いていてとても気持ちいいレイドバックした楽曲です。なかでもEric Namについては、めちゃ良いシンガーじゃん……となんとなくちゃんと聞いてこなかった自分を反省しました。こういう発見があるのもコラボならでは魅力。

9. Zico / Bermuda Triangle (feat. Crush & DEAN)
再び登場したDEANですが、「Block Bのメンバー」という形容が必要ないくらいソロでも活躍するZico、そして彼と同じFanxychildクルーの一員でもあるシンガーのCrushの3人による92年生まれの同い年コラボです。「92年に何があった?」というZicoのリリックが印象的で、直接口にはしないけど「俺らが今一番かっこいい」みたいなプライドのようなものを感じます。音数が少なくベースミュージックっぽさもある地下で響くようなダークなトラックもかっこいいです。

10. AgustD / So Far Away (Feat. 수란)
飛ぶ鳥落とす勢いの防弾少年団(BTS)のラッパーSUGAによるソロ名義でのミックステープ。確かリリース時、欧米のラッパーやトラックメイカーのミックステープのようにMediafireかDropboxでzipが配布されてたと思うんですが、韓国のどメジャーのフィールドにいてそんなリリースの仕方ができるのかと驚きました。本当はアルバムのタイトル曲の”AgustD"を入れたかったのですがSpotifyになかったのでこっちを。アルバム全編を通して聴くと、「防弾の曲でももっとSUGAのラップを聴かせてくれ!」と思わずにはいられない。


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