14 Till I Die vol.18:鮎川 浩哉さん(45) SE / DJの音楽

14歳の時によく聴いていた音楽が、その後の音楽の好みに最も重要な影響を与えるという研究結果が、2018年2月ごろNY Timesで発表され話題になりました。 ※https://www.nytimes.com/2018/02/10/opinion/sunday/favorite-songs.html
それを受け、著名人から一般人まで、様々な人に聞いてみよう!という本連載企画。

今回は福岡のDJ鮎川さんです。中年DJの切ない話が続いていましたが今回はちょっとモテてる!ハッピーエンドになるのか、鮎川さんに語っていただきましょう。
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Birth:1972 / Gender:男性

SE / DJ

鮎川 浩哉

サラリーマンやりながら趣味でDJイベントなどをやっています。あとは大体TBSラジオを聴いています。
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Age 14 / 1988
黄土高原 / 坂本龍一

14歳というと沢山の自意識が芽生えるときですね。僕は親の転勤で、初めての転校を経験しました。
小学校からの友達と別れ、まったく馴染みのない土地とまったく馴染みのないイントネーションと人生初の強制丸刈りに翻弄された14歳の夏でした。

メンタルがズタボロの状態で初登校した2学期、他の人が腫れ物を触るように接してくる中、ものすごく気遣ってくれた隣の席の女の子に僕は救われました。

吹奏楽部で、ショートカットで。メガネが似合う物静かな女の子。
僕の女性の好みはこの時点で決まったようなものでした。
彼女は絵が上手くてピアノが上手くて僕の知らない音楽を沢山知っていました。

「音楽が好き」というワードひとつで僕らはすぐに仲良くなりました。

その子との手紙のやり取りはいまでも鮮明に覚えています。度重なるやりとりのおかげであのかわいい手紙折りが僕は未だにできるのです。
週に一回程度の、楽しみで仕方なかった手紙の交換。
その彼女とのやりとりで一番楽しかったのは音楽や映画の話でした。

「TMネットワークはこれから絶対流行る」
「BOOWYはバスケ部連中がみんな好きだからなんかヤダ」
「バックトゥザフューチャーより面白い映画はない!」

思い出すのはこんな微笑ましくも痛々しい会話たちでした。そして、お互いレンタルでレコードを借りるとカセットテープを2本分録音し、そのうちのひとつはキレイにタイトルをレタリング(ゴシゴシこすって転写するアレです!)してコメント付きでプレゼントし合っていました。

DJやブログなどというなんの生産性もない趣味を持ち、他人に自分の好きなものをレコメンドしてしまう面倒くさい僕の性分は、初恋の彼女との、手紙とカセットテープのやりとりから始まっていたんだなあと、この文章を書きながら改めて気づいた次第です。

そんな彼女からオススメされて衝撃を受けたのが、坂本龍一さんのMedia Bahn Liveでした。

YMOというと運動会でかかったライディーンくらいしか知らなかった僕にはこのLP二枚組のライブ盤は大人過ぎでしたが、後にPC-98で制作されたことを知ることになる黄土高原の強烈で美しすぎるトラックとそれにぴったり合ったコーラスに、生まれて初めて音楽を聴いて涙を流す体験をしたのを覚えています。これ以降、僕の中二病の症状がますます悪化したのは言うまでもありません。

その流れで坂本龍一が音楽監督をしたアニメ「オネアミスの翼」を映画館に観に行きました。これが人生初のデートでした。鑑賞後、二人で初めて行った喫茶店で作品の感想を時間が許すまで語り合いました。

彼女とは、夜親に隠れてこっそり長電話したり、自宅で映画鑑賞会を開いたり、期末テストの勉強を一緒にしたりと、今思えばお付き合いをしているような状態でした。完全にフラグは立っていました。

しかしながら、キスなんてもってのほか。手さえ一切つなぐことなく、僕の痛恨のミスで、淡い恋は一瞬にして終わってしまったのです。
彼女とは、それっきり。

Age 45 / 2018.09.22
mistakes / Ovall

それから30年、当時住んでいた土地には実家がなくなり、今となっては彼女がどこで何をしているのかもわかりませんが、僕のカルチャーにおける礎を築いてくれた感謝の気持ちと淡い恋心の記憶に思いを馳せながら、当時の僕自身に2018年一番聴いたこの曲を贈りたいと思います。

Ovall / mistakes

今年行ったフェスでのベストアクトはOvallでした。
とにかく4人が織りなすグルーヴが本当に素晴らしく、ライブ後半、ジャムセッションからのこの曲のイントロが始まった瞬間たまらない気持ちになり、僕は年甲斐もなく泣いてしまいました。
イントロ一発で泣いちゃう点では黄土高原もmistakesも一緒だと思います。

間違い続きの人生で、おちこんだりもしたけれど、ぼくはげんきです。

#AGE14

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