14 Till I Die vol.13:コダイラヨウスケさん(41) インフラ系技術者の音楽

一説によると、14歳の時によく聴いていた音楽が、私たちの音楽の好みに、最も重要な影響を与えるという。(NY Times / The Songs That Bind

「音楽は人の内面を映す鏡」というのは言い過ぎかもしれないが、音楽遍歴を紐解けば、その人の人となりがなんとなく伝わってくるもの。この企画では、様々な年齢、 職業の人たちに、「14 歳の時に聴いていた曲」と「いま聴いている曲」を挙げてもらう。
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Birth:1977 / Gender:男性

インフラ系技術者

コダイラヨウスケ

ピーク時に比べると費やす時間はだいぶ減りましたが、いつかまたのめり込む時期がくると信じてめげずに音楽を聴き続けています。池袋「knot」第四日曜開催のクラブイベント「Peanuts Cafe」にDJ参加しております。
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Age 14 / 1990
真夏の果実 / サザンオールスターズ


14歳の時に聴いていた音楽。

中学2年生って西暦何年だっけ? とまずググり、1990年って何が流行ってたっけ? とまたググり、ブラウザ上に踊る「愛は勝つ」「今すぐKiss Me」「情熱の薔薇」「部屋とYシャツと私」の文字列に、ああ、そういえば……とようやく記憶がよみがえる、14歳の自分にとって音楽とはそんな程度のものでした。テレビから流れるヒット曲をたまに聴き、レンタルCDショップで8cmシングルをたまに借りる、埼玉の片田舎で暮らす野球部の坊主頭。その4年後から「音楽を聴くこと」に情熱を注ぐ長い人生が始まるなんて知る由もなかった坊主頭に唯一インプットされている「14歳のときに聴いていた音楽」。それこそがサザンオールスターズの「真夏の果実」であります。

平たく言うとフラれた思い出の曲でして、僕にとってはそれ以上でもそれ以下でもなく、この際正直に言うと今でもこの曲が大好きかというとそうでもなく、サザンオールスターズの皆様には失礼極まりないのですが14歳なんて所詮そんなものですよね。みんなも絶対そうじゃん!?(急にタメ口)

部活を終えて下校中の坊主頭が見てしまった「自分の好きな女子が男子と一緒に下校」。他の都道府県ではどうか分かりませんが埼玉の中学ルールですとこれは「付き合っている」ことを意味しておりまして、14歳にとってはこれ以上ないショッキングな真夏のワンシーンなのです。しかも一緒に帰ってる男は野球部の同級生(言うまでもなく埼玉の坊主)。条件同じじゃん……!? 完全に負けじゃん……!?!? 頂点に達したこの悲しみをどうすればよいのか? 洗い流すしかない。洗い流すと言ったらもうシャワーしかないじゃないですか。家に帰ってシャワーを浴びますよね。水で。なんかドラマとかでそんなのを見たんでしょうね。

蛇口をひねった瞬間に脳内で流れはじめた音楽、それが「真夏の果実」でした。

いや冷たかったですね。なにせ水ですから。でも悲しみに打ちひしがれたいから浴びるじゃないですか。でも冷たいんですよ水だから。すげえ冷たい。マイナス100度はあったかと思います。我慢してサビを(冷たくてつらいので、最初からじゃなくせめてサビだけでも頑張ろうと)口ずさんではみたものの、サビが終わるまで耐えられずに止めたことを鮮明に覚えています。四六時中も好きと言って~……までは何とか歌いきったのですが、四六時中あの水を浴びていたら夢の中へ行けるどころか絶対死んでたので、あの時すぐにシャワー止めて本当によかったなと今では思ってます。おかげさまで今でも僕は生きており、今年で42歳になります。42にもなってこんな思い出話を披露しないとならないなんて夢にも思いませんでした。シャワーでも浴びてきます。

Age 41 / 2018.08.07
C-A-T "POPOKI" MAKE A CAT / E seventh


2001年・日本発のハワイアンアルバム「Hula Nova」から。「真夏の果実」はウクレレがフィーチャーされている曲なので、かろうじて当時の影響を受けているのかもしれません。

「C-A-T "POPOKI" MAKE A CAT」という曲名から想像できるかもしれませんが、スペルを覚えるために子どもの頃から歌われるハワイの伝統的な曲だそうです。心地よいスティールギター、ユルくて陽気なおじさんの合いの手、そしてジャズシンガー・神谷えりさんの透明感あふれるヴォーカルが絶妙かつポップにブレンドされた、うだるような今年の夏にぴったりの好アレンジです。

坦々と流れゆくハワイの日常を40分足らずでパッケージしたようなこのアルバム。出会ってから15年ほど経ちますが、いつ聴いても全く色褪せない、本当に素敵な作品です。ジャケもすごくかわいい。クラシックなハワイの曲を中心に構成されているため言うまでもなく夏向けではありますが、現代的で涼しげなアレンジなのでいつ聴いても非常に心地よいです。20代半ばの旅行中、真冬の生駒山から大阪の夜景を眺めているときにカーステレオから絶妙なタイミングで流れたこのアルバムの5曲目「Pua Lililehua」の印象は特に強烈で、人生最後に思い出す風景と音楽がこのセットなら最高かもしれない……と感じたことをよく覚えています。「声にならない」という数少ない経験のひとつでした。よろしければ是非聴いてみてください。

ちなみに桑田佳祐さんの作品で断トツに好きなのは1994年のソロ作品「孤独の太陽」、1978年のデビュー曲「勝手にシンドバッド」です。

#AGE14

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